
味と香りの世界の画像
バラの香りは、6、7センチほど先までしか届きません。しかし、香水をつけたり、美味しい料理を味わうとき、その香りやフレーバーのなかには、遠くから運ばれ、歴史のいたずらにより、「旅を続けている」ものもあります。
その結果得られる感覚は、形がなく、見ることができません。しかし、私たちのもとに運ばれてくる過程 - ジボダン社を取り巻く場所や人、果実、そして花 - は目にすることができます。
ジボダン社のアンソロジー『An Odyssey of Flavours and Fragrances』は、当社のアーカイブに保存された門外不出の画像を収録しています。
うまく配置された写真と挿絵から、私たちが毎日楽しんでいる味と香りの巨大な万華鏡の実現で最も重要な役目を果たした人たちの顔と名前を一致させ、最も重要な役割を果たした場面がどのような場所かを知ることができます。
人から植物、そして製品に至るまで
『An Odyssey of Flavours and Fragrances』の至るところに、特定の原料の収穫に関する小さな欄があります。
いずれも息をのむような写真と挿絵を掲載しており、原料と、それが私たちのもとに届くまでの道のりの実態、そして、それに関係する場所と人の様子が伝わるはずです。
- Tirdouineのアイリス
- ムグナ渓谷のバラ
- タミル・ナードゥ州のジャスミンとゲッカコウ
- コモロ諸島のマダガスカル・バニラとイラン・イラン

芸術家が描いた17世紀の錬金術師の実験室の挿絵や、収穫され、うず高く積まれたジャスミンの花の写真、グラースのシリス一族など業界のパイオニアの肖像画をはじめ、貴重な写真や挿絵が数多くあります。
フレグランスの写真
『An Odyssey of Flavours and Fragrances』の二つの欄をまたいで掲載された、フランス人写真家リリ・ローゼ氏の静物写真は、いろいろな香りと味をビジュアル化し、その魅力の本質を伝えています。
ライターのショーン・ローズ氏が紹介しているように、「このアーティストは、香水が持つオーラをとらえ、葉や花びら、果実の繊細な構造を演出し、各フレグランスの嗅覚構造をやさしく説明している。
リリ・ローゼは、魅惑的な美学のさらにその先にある、フレグランスの神秘の世界に私たちを放り込み、その魅力的なパラドックスへとおびき寄せる。はかない感覚と、いつまでも残る記憶の融合 - 今すぐにでも消えてしまいそうなつかの間の現実と、ある種、永遠性の痕跡のような、その場にはないけれど確かな存在というパラドックスへ。」
フレーバーの写真
食べ物にレンズを向けるとき、ローゼ氏は、 ステーキやローストチキン、チキンキャセロール、ビーフシチューなど、風味と香りの豊かな、素朴で、心のこもった料理に照準を合わせます。

写真はどれも、色彩にあふれ、刺激的ですが、同時に、時代を超越した伝統意識と家族意識を感じさせます。
ローズ氏が述べているように、「リリ・ローゼは、フレーバーの写真で、美意識と友好の精神の両方を表現している。ローストチキンから、アントルコートやチキンキャセロール、ビーフシチューに至るまで、肉料理の美味しそうな香りと、生野菜のシャキシャキ感のある香りが混然一体となって感じられる。」
『An Odyssey of Flavours and Fragrances』では、この魅力的な題材の豊かな歴史を学ぶだけでなく、満載された画像や写真、挿絵から、それを生き生きとイメージすることができます。まさに、目と心のごちそうです。