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ファッションとフレグランス: 極上の香りを生み出すクリエイティブな対話

イエール国際モード&写真フェスティバルは、デザイナーだけでなくパフューマーにとってもクリエイティブな挑戦の場です。

ファッションとフォトグラフィ、そしてフレグランス。フランスの美しい海岸の街イエールに、ファッションとフォトグラフィの世界から話題の人々が集結し、30年にわたり次世代の期待の新人を輩出し続けてきました。

毎年開かれるこのフェスティバルは、「Creativity of Tomorrow」(クリエイティビティの未来)を示すことを目的に、最終選考に残った10人の才能ある新人デザイナーのための舞台を提供しており、長く輝かしいキャリアへの登竜門となっています。現在はシャネルがスポンサーとなり、ファッション界で活躍する才気あふれる若者に飛躍の足がかりとなる場を提供しています。

   

フレグランスパートナー​

このビジュアルアーツの一大イベントを支えるジボダン社は、2004年からこのイベントに関わってきました。当初はスポンサーの立場でしたが、5年前にフェスティバルのオフィシャルパートナーになり、コンテストに参加するすべてのデザイナーのためにフレグランスを作るよう招かれています。この取り組みは、ジボダン社のヘッドパフューマーたちで構成される精鋭チームに刺激的な場を提供するものであると同時に、デザイナーの一人一人が、大手ファッションブランドさながらに香りで自分の美的世界を表現することを手助けするものでもあります。

ジボダン社のクリエイティブマーケティングディレクターのフレデリックは、このイベントの重要性を次のように説明します。「フレグランスはそもそも、私たちの文化的な「l’air du temps(時の流れ)」を表現するものです。Opium(オピウム)は80年代、Le Mâle(ル・マル)は90年代を語る香水だったことからもわかるでしょう。香水は不思議なほどにトレンドを反映するのです。フレグランスメーカーとして私たちは最新情報に通じています。この場にいることは、非常にクリエイティブなイベントに参加するだけでなく、生まれつつあるトレンドを直に感じ、お客様と対話する貴重な機会でもあるのです。」

   

本質を引き出す

瞬時に魅了し、それを持続させられる香りを創造することを求められるこのフェスティバルは、ジボダン社のパフューマーの力量をお見せできる機会です。限られた時間の中で、与えられるのはデザイナーのインスピレーションのムードボードのみ。パフューマーはデザイナーの作品の真髄とデザイナーのビジョンを引き出し、それを魅力的な香りで表現せねばなりません。最終選考に残った世界各地の若手デザイナー10人から、ムードボードがジボダン社のパフューマーのもとに送られてきます。パフューマーは一人一人のポートフォリオに目を通し、自分が最も魅力を感じた作品のデザイナーを選びます。

そのときの過程をフレデリックはこう説明します。「デザイナーのフレグランスは、デザイナーがイエールの審査員の前で自分の世界を説明するときにも役立つ、重要な差別化要素です。ですから、コレクションの雰囲気を忠実に表現しなければなりません。香りから意識をそらすパッケージもないため、フレグランス自身で表現する必要があります。軽く、エアリーな服であれば、香水もそれをイメージしたものになります。複雑で難しい服であれば、パフューマーはそれを香りに盛り込みます。 パフューマーはデザイナーの話に耳を傾けますが、パフューマーの方から専門的なアドバイスを与えることもあり、クリエイティブな精神と精神の真の対話が繰り広げられるのです。

   

未来へのビジョン​
 

Creation of Liselore Frowjin at Hyères festival 2015
クエンティンがリーサーロー・フロージンのフレグランスのインスピレーションを得た作品 © Peter Stigter.

アーティスティックな交流を生み出すこのフェスティバルは、誰もが明るい未来、つまり持続可能な未来の創造を目指すなか、「未来」をより広い意味で語る重要なイベントです。フェスティバルの期間中、世界中のファッション業界のリーダーたちがRencontres Internationales du Textile et de la Mode主催のセミナーに参加し、創造性と持続可能性の連携について模索しました。

 

倫理的調達や全面的な再生ソリューションを採用しようとするデザイナーが増えており、ジボダン社は、その専門知識を議論の場に提供することができます。このセミナーではジボダン社が取り組む天然原料の倫理的調達プログラムを紹介したり、使用する原材料のサプライチェーンや長期的な仕組みについての持続可能性を協議することができ、未来に向けたクリエイティブでかつ美しいビジョンを共有しています。

      

    パフューマーの紹介

    ファッション、フレグランス、フォトグラフィ……同じビジョン、異なる素材​
     

    クエンティン、ファインフレグランスパフューマー
    クエンティン、ファインフレグランスパフューマー

    「フェスティバルに出場するデザイナー全員分のファッションブックレットを渡されたとき、すぐに目に飛び込んできたものが1つありました。それがリーサロー・フロージンの作品です。鮮やかな色遣いに、薄手のファブリックと光沢のあるファブリックがミックスされた質感が興味深いと思いました。 彼女の希望するパフューマーの第一番目に選ばれたことは幸運でした。

     

    「彼女の作品を見てぱっとひらめいたのは『マチス』の雰囲気です。ダイナミックかつスポーティーで、コントラストに富んでいて、非常にモダンで、未来的ともいえる他とは違う種類のビジュアル世界を作り上げていました。

    フレグランスのベースにしたのは、特に私が注目した「カエル」のような鮮やかなグリーンとブラックを組み合わせた衣装です。この大胆な二分割のデザインからリーサローのフレグランスのインスピレーションが湧きました。デザインと同じようにダイナミックでコントラストが明確な構造のフレグランスです。明るく、クリスピーでジューシーなモダンノートに、温かな深いトーンをブレンドしました。シソの葉、キュウリ、リンゴのジューシーなアクアノートは、温かなシナモン・クミン・ベリーの特徴で強調し、求められた暗めのコントラストを出しました。

    「スパイシーグリーンが特徴的なジボダン社のキャプティブ(自社内での消費用に生産したもの)のシソの葉と、深めのベースノートを持つ、特許を取得したキャプティブのムスクのシルコロイド(Sylkolide™)を組み合わせました。ムスク分子はフルーティな特徴を持ち、香水の芯となるジューシーなブラックベリーと非常によく合いました。リーサローはこのフレグランスをすぐに気に入ってくれたので、すべての過程は驚くほどスピーディでした。香りに何度か微調整を加えて、わずか2週間ほどでできあがったのです。」

    「このようなクリエイティブなプロセスは、このフェスティバルではよくあることです。活気に満ちた刺激的なやりとりがすぐさま行われるので、たちまち人を魅了する香りを生み出すことができます。デザイナーやフォトグラファーと同じように、フレグランスもまた、ある種の美を表現する手段なのです。美しい女性の姿や公園で遊ぶ子供たちの声を、形あるものや身にまとうものへ変えることができます。見ているものはみな同じで、単に違う素材を使っているだけのことです。」